英語習得のための勉強法はもう既にみんな知っている
世界で活躍するスポーツ選手の言語習得スピードは尋常ではありません。なぜあれほど早いスピードで他言語を習得できるのでしょうか?それも1日の大半を練習に使わなければならないにも関わらずです。世界に行くレベルの人は専門分野以外でも特別な才能を持っている?努力の程度が普通の人とは圧倒的に違う?疑問は残るばかりです。しかし、調べれば調べるほどやっていることは多くの方が既に知っている内容ばかり。ですので、本日はやり方を知っていても英語が習得できない人と英語を習得できた人の大きな違いを見ていきたいと思います。英語ができる人代表は、プロゴルファーの宮里藍さんです。
宮里藍のプロフィール
プロゴルファー宮里藍さんは、沖縄県国頭郡東村生まれ。彼女がプロになったのは高校生のころ。高校3年の時に地元仙台で開催された「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」で優勝し、2003年10月にプロ宣言をする。こうして彼女は史上初の高校生プロゴルファーとなりました。1年後の「エリエールレディスオープン」で優勝し、年間獲得賞金額が1億円を突破しています。宮里さんがアメリカに進出していったのは2006年の頃。ロサンゼルスを拠点に、米国ツアーを主戦場にしました。この頃はまだ英語も今程完璧ではなかったそうで、その頃のインタビューと現在のインタビューを比べても差は歴然としています。その後一時満足のいく結果が得られない時期がありましたが、2012年11月、模範的な選手に贈られる「ウィリアム&モージー・パウエル賞」を、日本人として初めて、受賞したように現在も現役バリバリで活躍しています。
宮里藍の英語インタビュー
宮里藍さんは英語が上手いのはもちろんなのですが、英語で喋ることにかなり慣れています。かなり若い頃から結果を出してきて、人前に立つ機会も多かったこともあり、インタビューの動画もかなり堂々としています。こういう姿も英語が上手いと感じる大きな要因になっているのではないでしょうか。さて、そんな宮里藍さんの英語のインタビューを見てみましょう。
宮里藍の英語勉強法
これだけ早口でハキハキと英語が喋れるのは、相当な努力の賜物だと思います。元々日本語でも早口なのかなと調べてみたところ、案外そうでもないです。ただ滑舌はかなり言い方だというのは日本語でも英語でも同じでした。とても聞き取りやすい話し方をされますね。さて、そんな宮里藍さんはどうやって英語を身につけたのでしょうか?以下にまとめます。
- 日本ツアー時代から英語圏出身のプロと仲良くなり、英語を使う機会を増やしていった
- 家の中では難しいニュース英語などではなく、洋画や海外アニメなどの簡単な英語を聞いていた
- 米ツアーで仲良くなった海外選手とは積極的にメールでやりとりをしている
正しい英語って結局なに?
先日書いた道端ジェシカさんと同様で、宮里藍さんも「積極的に外国人と話すこと」と「洋画や海外アニメを英語字幕で見る」ことを主にやっていたそうです。練習で忙しい中、できる勉強は限られています。その中で文法から勉強し始めることは不可能ですし、単語帳を捲っている時間もないでしょう。これは日本で会社務めをしている方にも大いに当てはまることでしょう。そこから生み出された勉強法が英語を使うことと英語に触れること。この勉強法は知識をたくさん詰め込んで、正しい英語に固執してしまう危険性がなくなります。基本的に母国語でも正しい言葉使いをしていない人が多い中、英語に関してだけ完璧主義を求めるのはどう考えてもおかしい。目的が英語の運用ならば、知っている範囲でどんどん使っていくことが英語を鍛える何より良い方法です。
宮里藍が見るアメリカ文化
宮里藍さんはアメリカをとてもカジュアルな国だと表現しています。それはやはりアメリカ人がおしゃべり好きだというところから。例えば日本人は初対面の人とは大して深い話はしません。プライベートなことは基本的に隠したがるのが日本人です。それに比べてアメリカ人は初対面でも関係なくなんでも話すのだとか。かつて宮里さんがジャグジーに行った時、ずっと喋っている2人を見たらしく、恐らく彼らは友人同士なんだろなって思っていたら別れ際に「Nice to meet you~」って。そう、彼らは初対面だったのです。初対面で1~2時間話し込む。さすがおしゃべり好き。でもこの環境も宮里さんの英語力向上にかなり役立っています。というのも、待ち行く人やゴルフ仲間に話しかければ基本的に会話ができるということだからです。英語を使う機会が多いだけではダメですが、宮里さんの場合は英語力を向上させようという意識があったでしょうから、この環境はまさに英語力向上にはもってこいです。
宮里藍の性格は他言語習得に向いている?
そもそもなのですが、幼い頃からこういう勝負の世界で生きてきた彼女は性格的に他言語習得に向いています。こんな話があります。日本人プロゴルファーで英語が分からないばっかりに、試合中の周りのヤジが理解できず逆にプレーに集中できる、と。しかし、彼女は問題なかったそうです。海外でプレーする以上いずれ英語は使えるようにならなければいけないですし、ヤジはメンタルの強さでどうとでもなると宮里さんはおっしゃっています。そしてまた宮里さんは自分のゴルフに関して、メンタルの強さがかなり大きいと言っています。特別な才能がなくても集中して自分の本来の力を出すことができれば試合に勝つことができるって話を聞いて感動しました。こういう正確は一度定めた目標が達成されるまでぶれることはありません。英語に関してどんな目標を定めたかはわかりませんが、上でも書いた正確な日本語を話さなければならないという日本人英語学習者特有の間違った考えが生まれることはなかったでしょう。
過保護はスキル向上の邪魔をする
これは推測ですが、宮里藍さんの育ちも英語習得には有利に働いています。彼女のお父さんもよくテレビに出ていて有名ですが、とてもスパルタな印象を受けますよね。もしかすると、自分自身でなんとかするという前提が彼女の根底にはあるのかもしれません。比較しては申し訳ないのですが、同じプロゴルファーに石川遼選手がいらっしゃいます。彼は英語は喋れるものの、ちょっと頼りないです。ある分析では、石川遼選手の場合は周りが彼を守り過ぎていて、英語を使う機会がそんなになかったのではないかと言われてます。逆に宮里藍さんは専属のバディーの方もイギリスの方ですし、その方とも基本的には英語で会話しているそうです。言語は使わないと伸びないですからね。
まとめ
さて、最初に書いた、やり方を知っていても英語が伸びない方とそうでない方の違いは明白ですね。英語を勉強するさいの目的がブレずに学習を続けられるか。そして学んだ内容をしっかりとアウトプットしているか。この2点が結果に大きな違いを生んでいました。個人的には英語の必要性も大きく関わっていると思います。逆に言えば現在それほど英語に必要性を感じていない人は、必要になってから英語を勉強すべきだとも思います。そしていざ、海外に行った際には宮里さんのように積極的に英語を使ってみてください。会話が気楽にできるということの喜びはなにものにも代え難いものです。
TOEIC講師:石崎力也