才能は芸能界で磨かれる?
最近ふと疑問に思ったのですが、芸能界の人に多才な人って多くないですか?いろんな分野でプロといえるレベルの表現をし、功績もしっかり残している。芸能界という人に揉まれる環境で生きてきたからこそ、一般人に比べて自信の付き方や、チャレンジ精神が旺盛になるのかなとも思いましたが、ひとえにそうとも言えないでしょう。まあ一要素にはなっているでしょうが。何はともあれ、本日紹介する人は英語はもちろんいろんなジャンルで世界レベルのパフォーマンスを行う方です。須藤元気さん。まずは須藤さんはどんな方なのかまとめます。
須藤元気のプロフィール
須藤元気(1978年3月8日)。世界学生レスリング日本代表監督、拓殖大学レスリング部監督、作家、ミュージシャン、タレントとして活躍中。学歴も興味深いです。拓殖大学大学院地方政治行政研究科修士、サンタモニカ大学芸術学部中退。須藤さんの著書にもあるように、海外経験は豊富で、アートスクールへの留学より前に格闘技で一度留学してます。拓殖短期大学を卒業した1998年4月に渡米して、ロサンゼルスのビバリーヒルズ柔術クラブに所属しました。ちなみにアートスクールでは油絵や彫刻などを行っていたそうです。そして驚きなのが書道。書道歴2年にして、日本最大の書道展「毎日書道展」に入選しています。その後も「第15回 泰書展 新人奨励賞受賞」「第26回 産経国際書展 入選」など素晴らしい功績。また、作家としても結果はしっかり残していて、2006年に発表した随筆『風の谷のあの人と結婚する方法』はベストセラーになっています。2013年現在16冊もの書籍を出版なされています。
須藤元気・格闘技人生
須藤元気さんの格闘技人生は幼い頃からスタートします。お父さんがボクシング漫画『がんばれ元気』のファンで、名前の由来もこの漫画だとか。関東第一高等学校時代に始めたレスリング(グレコローマンスタイル)が格闘スタイルの基礎であり1996年に拓殖短期大学に進学すると、全日本ジュニアオリンピック優勝を果たし、世界ジュニア選手権に出場しました。そしてその後上に書いた通り、大学、留学を経て帰国後の1999年8月よりパンクラスを主戦場として日本格闘技界に殴り込み。この頃より凝った入場と格闘技の試合にプロレス技を繰り出すことで格闘技ファンの注目を集めました。格闘家時代は総合格闘技、K-1、グラップリングに出場。レスリング出身ということから、総合格闘技では華々しい成績を収めています。ブラジリアン柔術コパ・パシフィカ大会では優勝経験も有ります。引退後は拓殖大学レスリング部監督に就任し、2009年5月22日には拓大レスリング部監督として東日本学生リーグ戦で就任以来初となる優勝を決め、最優秀監督賞を受賞しています。また2012年にはフィンランドで行われた世界学生レスリング選手権大会で日本代表監督を勤め、これまで最優秀監督賞を7回も受賞している。
須藤元気の芸能活動
須藤元気さんはK-1 WORLD MAXにデビューした8ヶ月後には映画俳優としてデビューしています。『凶器の桜』ですね。窪塚洋介さんが好きだった当時、映画館に足を運んだ記憶があります。そして2006年9月6日にはACIDMANプロデュースで歌手デビュー。「Love&Everything」という曲を歌っています。さらに2008年8月23日公開の日本映画『R246 STORY』の中の「ありふれた帰省」で映画初監督(自身も主演)を務めました。そして2009年に現在世界で話題沸騰中のパフォーマンス集団WORLD ORDERを結成。また2010年の仮面ライダーの映画ではオカマ役を演じ話題になりました。この数年間の内に俳優、歌手、監督、プロデューサー、、、ホントに芸術に長けた方です。ちなみに、須藤さんは一般の女性と2007年に結婚しております。
渋谷連続通り魔事件の被害を軽くスルーする?
ちょっと面白い話がありましたので簡単に紹介します。2003年7月24日に起こった渋谷連続通り魔事件。当時原付バイクを運転していた須藤さんは同じくバイクに乗り黒いヘルメットを被った男にカッターナイフで右脇腹を刺されました。幸い軽傷で済んだのですが、ここからがさすが格闘家らしい。実際刺された当初須藤さんは自分が刺されたことに気がついていなかったそうです。やっぱりプロの格闘家ってちょっとした痛みとかはスルーできちゃうんですかね?で、翌日の昼には記者会見を行えるほどなんともなかったようで、会見後新極真空手の合宿に参加していたそうです。いやいや、強すぎ。笑
須藤元気の名言
- 知識ばかり増やしてしまうと、そのことで他の人と自分は違う、と思い違いをしてしまうことがしばしばある。
- 僕は、行動するときの一番の原動力はパッションだと考えていますが、自然に湧き上がってくる思いに従えば、モチベーションについて悩むこともなくなるのではないでしょうか。
- 望んでいるのなら、一歩踏み出すべき
- 百の恋には、百の戦略あり
- 人間は過去にも未来にも生きられないんですよ。今しかないんですね。ですから、役者のときは役のことしか考えない、格闘家のときは格闘のことしか頭にないです。今この瞬間を充実させることが重要なんだと思います。ですから頭を切り替えるとか、意識とかではなく、今いる状況に神経を集中している。
- さまざまな世界を見たほうが、いろんな意味で大きくなれる。そういった経験があるから今の自分が、“須藤元気”が存在する。
- インフレ・スパイラルに自分をはめるコツは、楽しんでやることです。辛いことは一気呵成になどできません。「レッツ・エンジョイ・イングリッシュ」とはよく言ったものです。
- 他者の価値観に合わせて生きるのではなく、自分の価値観で生きる
- 「自然」に生きれば、それが「独創性」につながる。
- 若者は勇気がありすぎる。老人は知恵がありすぎる。
- 「人の行動のどういう場所でユーモアを感じられるか、そこが人間の資質を決める」
- ボクはもともと貪欲でエゴだらけな人間。でもそれは人生のプロセス。ボクはその時期があったから今があると思っています。そういう人生プログラムのもとにあったというか、人生はある程度導かれているんです。すべての出来事は完璧なタイミングで起こるし、すべては必然。
- どちらかと言えば、何を起こすか考えることよりも、何かを起こすという行動のほうが大事なのであろう。
- 「人を判断しない人」であれば、その人はきっと魅力的だと思います。あの人はこうだ、あの人はどうで、この人はああで・・・と、意味のない判断をしない人です。
- 自分に関わる全ての事にありがとう。
WORLD ORDER・世界の反応
須藤元気さん率いるパフォーマンス集団「WORLD ORDER」。結成当時は全員30代を超えるおっさん達(笑)。「スーツを着てメガネをかけて髪の毛をキッチリ固める」といったステレオタイプな日本人サラリーマンのビジュアルにロボットの様なダンスパフォーマンスを行います。作詞作曲、ダンス、プロデュースと全て須藤さんが担当。PVの撮影も東京、京都、ニューヨーク、メキシコなどいろいろな国を訪れています。それもあってか海外での知名度も高く、むちゃくちゃ評価されています。ちなみに2012年には647人でロボットダンスを同時に踊りギネス世界記録を達成しています。以下海外の反応です。
- スーツを着た7人の男がロボットダンスをやるぐらい、不気味なことは無いね。 アメリカ
- このビデオに何か賞を与えるべきだ。 デンマーク
- 生で見たら、俺ぶっとんじゃうね。 オーストラリア
- プログラムされてるみたい~。 マレーシア
- ボーカロイド使ってるのかな? インドネシア
- クレイジーなアジア人だ! アメリカ
- ダンスとか、こういう曲って普段あまり聞かないんだけど…このビデオは見ずにいられない! 南アフリカ
- エンディングがすごい(笑) イギリス
- 言うまでもないけど、ユニークだね。 カナダ
- このビデオ好き。アメリカでショーはしませんか?アメリカのテレビ局に紹介しますよ。 アメリカ
須藤元気の英語力とアーティストとしての須藤元気
上の動画のOPで須藤さんの英語が披露されています。日本語アクセントが抜けきれてない感はありますが、聞き取りやすい綺麗な英語です。須藤さんの経歴が濃すぎて、かなり英語に関係のない記事になってしまいましたが、とてもいいモチベーションになったのではないでしょうか?須藤さんは高校生の頃に自分の進路を2つに分けたと言っています。格闘家になるか、アーティストになるか。高校時代にハマった音楽でストリートライブもしていたそうです。そして一度格闘家として大成してから、引退後はアーティスト活動をやろうと決めていたそうです。しかし、引退後のパブリックイメージはやはり「格闘家」としての須藤元気。だから自分の名前をばらさないように、グループで活動し、日本ではなく海外から攻めた。もちろん業界でも賞味期限切れの格闘家ブランドが先行して、「こんな音楽をやりたい」って言っても通じなかったそうです。須藤さんがアイディアを周りに披露すると、、、
まとめ
「おもしろそうだけど…」とか「やってみたいけど…」みたいな反応しか返ってこずに、「じゃあやろう」とまでは行かなかったと。なんというか、日本人らしい反応ですね。そこで須藤さんはひとまず一つ作らなきゃ何も始まらないといって、20人くらいのダンサーに声をかけ、ゲリラライブを敢行したそうです。それを動画にまとめYouTubeで配信。須藤さんは、世界でおもしろがられることは見えていたと言います。そして世界で認められたWORLD ORDERのパフォーマンスは日本で流行りました。まずは須藤さんの行動力に尊敬します。確かに、音楽業界では圧倒的に不利な状態からスタートして、見事戦略通りに成功しました。そしてもう一つは、、、日本のダサさ。海外で流行ったのを確認してから手のひら返して話題にする。ネットが当たり前の世の中でこういうの見て育つ学生が多いから優秀な人はみんな海外を目指すようになるのに。日本に魅力はあれど空気が悪い。おっと、愚痴っぽくなりました。須藤さんは、逆境の乗り越え方として一番シンプルな方法を僕たちに教えてくれました。先ず動く。そして形にする。証明しちまえば周りは見方になる。
TOEIC講師:石崎力也