能ある鷹は爪を隠す、若手No1俳優森山未來の才能
若手俳優No1と言えばこの人、森山未來さん。彼の演技は洗練されていて、完璧にその役になりきります。その姿は演じているとは思えないほどリアル。セカチューとかモテキなどの素朴な青少年系キャラが似合う森山さんですが、私生活では酒好きの暴れん坊。暴れん坊は言い過ぎですが、酒の失敗談は数知れず。普段は関西弁を話すというところも意外ですし、ダンスがうまいというのも意外でした。幼い頃通っていたダンス教室は別の場所らしいですが、現在母親が地元神戸でダンススタジオ「モダンミリイ」を経営しているそうです。ミュージカルなどで歌わせれば俳優のレベルを遥かに超えていると絶賛されますし、賞の数もあげればキリがありません。そんな非の打ち所がない俳優、森山未來のあれこれを紹介していきます。
森山未來のプロフィール
森山未來さんは1984年8月20日生まれの現在29歳です。兵庫県神戸市灘区出身の俳優であり、ダンサー。松田優作事務所(オフィス作)に所属。高校卒業までは地元の神戸におり、10歳の時には阪神・淡路大震災を経験している。初舞台は11歳の時。ただし、正式にデビューしたのは15歳の時、演出家の宮本亜門さん率いる舞台『BOYS TIME』であるとしている。ダンス歴は長く、5歳からジャズダンス、6歳からタップダンス、8歳からクラシックバレエとヒップホップを始める。16歳の時に単発ドラマ『TEAM 2』でドラマ初出演、『さよなら、小津先生』で連続ドラマ初出演。一躍有名になったのは映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の出演がキッカケ。主人公・松本朔太郎(サク)の高校生時代を演じ、ブルーリボン賞の新人賞、および日本アカデミー賞の優秀助演男優賞、新人俳優賞を受賞した。この時共演したヒロインの長澤まさみとは8年後の映画『モテキ』で再び共演している。純愛映画とは到底言えないリアリティのある生々しいシーンが多く、かつての二人のイメージが良い意味で崩壊した作品となった。森山本人も「あの二人に8年間でなにがあった?」と笑いながら語っていた。話はとんだが、森山は2010年に一般女性と入籍している。そして同年10月に第一子の誕生発表(性別名前は非公表)。『北のカナリアたち』『苦役列車』での受賞歴が凄まじく、名実共に若手俳優No1だと方々からいわれている。そのため、2013年10月から文化庁より海外派遣型文化交流使に任命されており、2014年9月までの1年間、ベルギーとイスラエルに滞在し、現地の劇団やダンスカンパニーなどを拠点に演劇の共同制作や公演などの活動を行う。文化交流使として海外に留学している間は俳優業を休止する形となる。
森山未來の学生時代
森山未來は「1歳のとき、いつも柵の中に入れられていたらしいんですよ」。
「目のまえに窓ガラスがあるのに正面からぶちあたって割っちゃったりする子どもだったそうです。両親が出かけて、姉と2人で留守番をしていたときに、姉が目を離したすきに家の柵を飛び越えて散歩にでかけ、何キロも先で保護されたこともあった。とにかく、じっとしていられない子でした」
そんな息子の日用品破壊工作を横目に両親はその発散方法としてダンスを選んだ。5歳から始めたダンス。週1回だったダンス教室に小学校に入学する頃は毎日通うようになったとか。だから森山には友人の家で漫画を読んだり、球技をした覚えがないという。中学に入ってもそれは変わらず、15歳の時、演出家の宮本亜門率いる舞台『BOYS TIME』で正式にデビューした森山未來。この舞台のオーディションの条件は18歳以上。当時15歳だった森山は現場ではおとなしい子だったそうですが、せっかく来てくれたからとなんとかオーディションを受けさせてもらえることに。そして踊り出した森山を見て宮本は絶句。ニューヨークで仕込まれたのか!?と思うくらいの才能と実力の持ち主だったようで、その後宮本が是非東京に来てくれと誘ったそうです。当時の宮本亜門はこう語ります。
「どんなダンスもこなしてしまう恐るべき15歳」「フレッド・アステア以来の天才かと思った」。
また、この作品で同じく舞台デビューを果たしたのが佐藤隆太であり、2008年には佐藤の初主演連続ドラマ『ROOKIES』に友情出演している。そして上京してきた森山はなぜかホテルなどではなく、旅館に暮らすようになる。というのも、まだ中学3年生だった森山を親が心配し、人がいる旅館生活を勧めたそうです。そのまま東京に残ることはせず、高校は地元・神戸の高校へ。既に芸能活動を始めていた森山は校則の厳しい学校で唯一金髪などが認められていた。しかし、ガラの悪い先輩や同級生に目をつけられると面倒だということで、毎朝母親にスプレーで黒染めをしてもらっていたとか。また高校時代の時、学生服でいつも溜まっていたのがカレー屋『LUCY』。そしてそして高校時代にハマったのはフラメンコ。大学でスペイン語学科を選んだのは魅了されたフラメンコをより深く知るためだそう。自ずと海外志向が強くなっていった。
仕事の一部として覚える英語学習術
文化庁から文化交流使に任命された森山未來は元々海外志向が強い俳優さんで、外国語にも強い関心があった。大学は拓殖大学外国語学部スペイン語学科に通っていたし、一人旅で海外にも行ったりする。日本映画では初となる国際連合(国連)本部でのロケを敢行した2013年の映画『人類資金』。この映画の中で森山は8分間にわたる英語のスピーチを行った。登壇から降壇まで13分、うち8分間にわたる英語のスピーチを、カメラ3台を使った長回しである。このシーンは映画のクライマックスで使われるシーンで圧巻である。また映画で使われたセリフは4カ国語もある。日本語、英語、ロシア語、モン語(タイ・モン族の言語)である。阪本順治監督は森山のことをこう語る。
「未來は自分を追い詰めていくやつですから、英語のスピーチを与えようが、ロシア語のセリフを与えようが、アクションがあろうが、当然のようにやってくれるし体得してくれるであろうと思った。ましてや終わった後に、大変だったというようなことは言わんだろうと」
森山自身も撮影に入る前に、”伝わる演説って何だろう?”とバラク・オバマ、ルーサー・キング牧師、ジョン・F・ケネディの演説を見て研究。「ただでさえスピーチが苦手とされる日本人。だけど、あのシーンはどこかでアジア人としてスピーチができるという意識をちゃんと持っておかなければいけないと感じました。」と語る森山が今回の文化交流使に任命されたのは頷ける。多くの俳優は作品の中で他言語に触れそのスキルを上げていく。森山も元々の興味関心に加え、1年間日本語が使えない環境に身を置き演劇などで全セリフ外国語で演じる。2014年9月に日本に帰国した際、間違いなくハリウッドなどの海外映画に引っ張りだこになるだろう。
文化交流使とは?
今回森山が文化庁に選ばれた文化交流使とは何かを調べてみた。文化庁のHPにはこう書かれている。
「文化庁では,芸術家,文化人等,文化に携わる方々を一定期間「文化交流使」に指名し,世界の人々の日本文化への理解の深化,日本と外国の文化人のネットワークの形成・強化につながる活動を展開していただいています。(中略)平成25年度においては,8名の芸術家,文化人を「海外派遣型文化交流使」に指名し,平成25年度から26年度にかけて,1か月~12か月間,諸外国で日本文化に関する実演,実技指導,講演,デモンストレーション,ワークショップ等を行っていただきます。」
つまり森山未來は日本の文化を海外に伝えるために1年間訪問先で現地の人と演劇の共同作業や一人芝居などをするのだ。ベルギーとイスラエルに滞在する予定でイスラエルでは舞台「100万回生きたねこ」の演出家と演劇の共同制作などを行い、1人芝居などの活動もする。ちなみに、現地では語学力向上のために通訳無しで生活することになる。英語だけにとどまらない語学力がつきそうですね。森山未來のコメントを引用する。
「日本の文化が軽やかに海の向こう側へ飛び越えていけるよう、この島国が海の向こう側からさまざまな文化を受けとめ、取捨できる器量が膨らんでいけるための1つの懸け橋になれるよう精進していきたい」
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は森山未來にしかできなかった?
皆さん、この演劇をご存知でしょうか?元々はオフ・ブロードウェイで上演されたミュージカルと、その映画化作品である。旧東ドイツ生まれの性転換ロック・シンガー、ヘドウィグが、幼い頃に母から聞いたプラトンの「愛の起原」にあるような自分のかたわれ(=愛)を探して全米各地を巡る物語。この作品を『モテキ』の大根仁監督が日本版にリメイクしたのだ。そしてその主役を森山未來が演じた。ロックミュージカルと言われるだけあって、森山は劇中で様々なロックを熱唱する。その音楽の訳詞を手がけたのはミュージシャンのスガシカオ。スガシカオは森山のことをこう語る。
『凄まじかった。あれはミュージカルじゃない。ヘドウィグになりきった森山未來のLIVEパフォーマンスだ。役者のうたうレベルの歌じゃない、あれはロックスターのパフォーマンスだ。』
共演者には「ミドリ」のヴォーカル後藤まりこがおり、森山は「後藤まりこがいる、ぐらいの感じで観れるようなステージになればいい」と語っているが、見た人はあの後藤まりこをも凌駕する森山の狂おしい姿に驚いたという。舞台はやはり好きだと語る森山。演技もそうだがやはり森山未來を見るには彼に体を存分に動かさせなければならないだろう。子供の頃からじっとしていられなかった性格は変わることなく、今でも自分の居場所で輝いている。
森山未來の人となり
上でも書いたが森山はよく一人旅をする。国内外問わず宿がなければ野宿もするそうだ。自分の性格を”ふらふらしている”と答え、言葉通りの行動をする。一人旅をする理由は一人でしか見れないものがあったり、出会いなど一人の方がおもしろいこともあるからと。休日もやはり一人で過ごすことが多いらしく、大人数で騒ぐより一人の方がよいという。現在は結婚していますし、その感覚も少し変わったかと思えば、野宿をしたのはつい1年前だった。しかも数日間。役を私生活に持ち込みやすいと発言しているので、もしかしたらそれも関係があるかもしれない。
また演技に関しての集中力と完成度が素晴らしすぎると度々絶賛される。それもそのはず、役作りは徹底している。例えば、映画『セイジ -陸の魚-』の撮影時、「自転車で一人旅をしている旅人」役を馴染ませるため、奥日光の撮影場所まで3日かけ実際に自転車で来たというエピソードがある。また、映画『苦役列車』の撮影にあたり、役作りもあり3畳一間風呂なし共同トイレの宿に一人で住まい、コップ酒と本にのみ縋る生活を送ったり。舞台『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』では、歌いっぱなしのミュージカル作品ということで、喉に良い聞いた生肉(とトマト)だけをひたすら食べ続けたという。そのどれも”面白かった”と表現する。楽しめる能力がある人は人生強いですよね。
まとめ
ダンスと演技が大好きなので、それをやっています。というシンプルな生き方がとても魅力的。森山は数々の名俳優からも絶賛されまくっている。以下でそれを紹介する。
- 「吸収力とパワーがある青年で、勘が良くて物おじしない。僕の若いころと違って堂々としている」寺尾聰
- 「これほどすごい若手俳優はちょっと見たことがない。ジェームス・ディーン出現時のハリウッドが受けた衝撃のよう」武田鉄矢
- 「今気になっている、良いと思う若手俳優」として森山の名前をあげたことがある。唐沢寿明
- 「光る感性 輝く魂 神戸が生んだ日本のマット・デイモン」西田敏行
- 「未來くんは歌もダンスも素晴らしく声も良い。彼のような人は日本のデヴィッド・ボウイだし、彼に曲を書いたりしたい」椎名林檎
- 芝居を交わすうちに実の息子のように思っていたといい、これからの彼の役者人生をずっと見守っていきたいとラジオ等で思い入れを語った。吉永小百合
- 「フレッド・アステア以来の天才かと思った」宮本亜門
私生活では意外にも酒好きで愛煙家だという。日本酒好きが高じて、地元兵庫の地酒「龍力」とコラボしたワンカップ酒を作ったこともある。故にタイプの女性は一緒にお酒を飲んでくれる人なのだとか。そして、生まれかわったら、、、ネコになりたいそうです。
TOEIC講師:石崎力也
PS:TOEICは英語が嫌いでもハイスコアが取れるものです。なぜなら資格試験だからです。資格試験には必ず攻略法があります。それは・・・
PS2:森山未來はモテキの藤本幸世が好きではない。関西弁でいうところの「もう、かなわんわ」とそういう感じらしい。よって、モテキの撮影期間から宣伝期間の間はプライベートも全て藤本幸世で登場するが、モテキ期間が終わると藤本から離れたくて必ず金髪にしてしまうという。